昨年から話題となっているラオスの最低賃金値上げについての新たな報道がありました。

2018年1月30日のWeb版Vientiane Maiの記事の見出しは「最低賃金について100万KIP以下とならないように値上げを提案」となっており、「2018年1月26日、労働社会福祉省、労働組合連盟、商工会議所の3者会議がように開催され、最低賃金についての最終的な協議が行われた。会議では、労働組合から120万KIP、商工会議所から100万KIP、労働社会福祉省から110万KIPが提案された。今回の会議について政府に報告され、最終的に政府で決定される。」と報道されている。また、これまでのラオスの最低賃金値上げの経緯として、「これまで7回最低賃金の改定が行われており、1回目1991年26,000KIP(月給、以下同)、2回目1997年36,400KIP、3回目2000年93,600KIP、4回目2005年290,000KIP、5回目2009年348,000KIP、6回目2011年626,000KIP、7回目2015年900,000KIPとなっている。」

Vientiane Mai : https://www.vientianemai.net/khao/16833.html

ちなみに、チャンパサック県にある「パクセー・ジャパン日系中小企業専用経済特区」は、2015年12月に調印式が行われ、正式に設立しましたが、この経済特区が出来ることを見越し、2013年前後から日系企業数社がパクセーへの投資を計画・準備をしていました。もし今回、最低賃金が120万KIPに値上がりするとすれば、その当時の最低賃金626,000KIPから、わずか5年ほどで約2倍になることになり、当初の経営計画を大きく見直す必要があるため、戸惑いの声も聞かれます。

特に首都ビエンチャンは都市化が進み、サービス業の発展による就業場所の増加、物価の上昇などにより、現在の最低賃金では生活が維持できないという意見には頷ける部分もありますが、一方地方都市においては、未だ就業機会が限られており、労働の質も低いと言わざるを得ないのが現状です。そのため、最低賃金を値上げすることにより投資インセンティブを低下させるよりは、まずは最低賃金を維持してでも、投資促進を優先させる方がいいのではないかという意見もあります。また、ラオスの最低賃金は、現在のところ、全国一律となっていますが、今後、首都ビエンチャンと地方都市との格差を考慮し、地方都市への投資を促すためには、最低賃金を地域ごとに設定するというのも1つの方法ですが、全国民が平等であることが重要な社会主義国家であるラオスでは難しいのかもしれません。