既に大きく報道されておりますので、皆様ご存知かと思いますが、ラオス南部のアッタプー県にて、工事中のダムのサドルダム(補助ダム)の決壊によって、下流地域に甚大な被害が出ております。
ラオスのメディアのみならず、日本も含む世界中のメディアで報道がされており、毎日のように新しい情報が出てきています。
パクセーは、ラオス南部の中心都市であり、各地からアッタプーへ行く場合の中継地点ともなっているため、現在も、各国の救援隊や軍関係、支援物資の運搬などが多く滞在、通過しており、緊急事態の雰囲気が漂っています。
今回の被害の大きさから、かなり長期的な支援が必要であることは明らかです。また、フェイクニュースや間違った情報も出て来始めています。
私達の周りの人たちも、現地に入り、支援物資の運搬などをしている人がいます。このような人たちから現地の情報を聞いたり、引き続き情報収集をして、今後、どのような支援が必要なのか、改めて、お知らせしたいと思います。
そんな中、Mekong River Commission (MRC)から、メコン川の水位について、パクセー地域において、危険水位に達しているとの警告が行われており、在ラオス日本大使館からも、在住日本人に対して、注意喚起のお知らせが出されました。
最近のメコン川の水位については、下記のMRCのHPから確認出来ます。
Mekong River Commission : http://www.mrcmekong.org/
パクセー地域では、この危険水位の状態が、8月4日まで続くと予想されています。
パクセーのメコン川沿いの2018年7月30日現在の様子は、こんな感じです。
土嚢を積んで、洪水に備えています。ただし、中央奥に見える人達は、いつも通り、川沿いの屋台でご飯食べたり、飲んだりしている人。
街中から空港に向かう道の、セドン川かかるスパヌヴォン橋の周辺の様子。 (地図上の「Near Souphanouvong Bridge」の辺り)
土嚢を積んでいたようですが、水が越してしまっています。子供たちは水遊び。
スパヌヴォン橋を渡って、空港に向かって左に曲がった先にあるワット・チャオソムセーへ続く道は、こんな感じ。
もう道路まで浸水してきていて、もう数cm上昇したら、浸水しそうです。ここに来るまでの道も、少し低い場所や小さな道は既に浸水していて、村人は船で移動したり、物を運んだりしていました。
ちゃんと移動用の船が用意してあります。
お寺の敷地内は完全に浸水しています。普段から、みんなの憩いの場で、夕涼みに来る人が多いですが、この日も、様子を見に来たのか、いつも通り遊びに来たのか。相変わらず、たくさんの人で賑わってました。
韓国政府の援助で行われていたメコン川の川岸の整備工事のサイトは、ほとんど水の下に沈んでしまっていて、この工事のために置かれていた砂を使って、土嚢を作っているようです。
党関係の学生やボランティアも来て、土嚢を作ったり、それを配ったりしていました。一般の人でも、行けば、土嚢をもらえるようです。
上記2枚の写真のテントでは、24時間体制で、川の様子を監視してくれています。この時も、そのボランティアのための食事を作っているところでした。
この日は、まだ、メコン川沿いの道は、ダオフアン市場に続く左折の手前までは通れましたが、2018年7月31日現在、メコン川沿いの計画投資局(Department of Invest and Planning)の建物の先から、ダオフアン市場まで、川沿いの道は全て侵入禁止になっています。出入り口には警察官が駐在して、チェックしていて、内陸部の方から入る横道もゲートなどで侵入禁止になっている箇所がいくつかあります。
おそらく、MRCの予想で危険と予想されているる8月4日まで、この措置は続くものと思われますので、ご注意下さい。
下記のMRCのデータを見ると、今年だけが特に異常ということではないようですので、ラオス人も、“いつものこと”といった感じで、今のところ、特に慌てている様子や混乱はありません。
http://ffw.mrcmekong.org/stations.php?StCode=PKS&StName=Pakse
ただ、今年は、台風やストームなど、まとまった雨が短期間に集中して降ったので、一気に水位が上がったようです。
パクセーの場合、上流で降った雨も時間差で影響が出ますので、パクセーに雨が降っていなくても、水位が上がることがあります。
パクセーに住んでいる方、来られる予定のある方は、十分にご注意下さい。