2021年11月22日付のThe Laotian Timesによると、ラオス国境を接する5か国のうち、3か国との国境画定が完了し、2か国とは未完了であるとのことです。
原文:「 Laos Has Fully Demarcated Borders with Three Countries 」
記事の内容によると、「ラオスの外務大臣は、11月15日に開催された第9回国会の第2回通常会議で、ラオスがベトナム、中国、ミャンマーとの国境画定を完了したことを報告した」そうです。
外務大臣は「1975年12月2日にラオスが建国された後、党と政府は、お互いの主権を認め合い、国境紛争を回避するために、近隣諸国と協議・交渉して国境を明確に画定し、領土を守ることの重要性を認識しました」と述べ、過去40年間で、国境を接する3か国との間で国境の画定と境界線の設定を成功させてきたことを報告しました。
また、「ラオスはベトナムと2,337kmの国境を共有しており、1,002本の国境画定用ポールを設置している。ラオスと中華人民共和国は約508 kmの国境を共有し、104本のポールを設置。ミャンマーとラオスは236kmの国境を共有し、172本のポールを設置している。これら3か国との間では、国境の共同管理と保護の基礎として、国境の画定と国境管理規則に関する条約を制定している」と外務大臣は述べています。
さらに「ラオスと1,835kmの国境を共有しているタイとは、国境画定のための交渉が引き続き行われているが、画定しているのは37%。一方、ラオスはカンボジアとは約535kmの国境を共有しており、そのうち86%は121本のポールを設置するなどして国境が画定している」ということです。
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日本にいると日常的に国境を意識することは、ほとんどありませんが、5か国に囲まれている内陸国のラオスにいると、自然と国境というものを意識します。
国境の近くに居住している市民は、パスポートではなく、専用のパスがあれば、日常的に国境を越えることが出来て、仕事だったり、買い物に行ったりで、頻繁に行き来が行われています。
普段、国境線を目にすることはほとんどありませんが、記事中にもある通り、越境のポイントとなっている国境の近く以外では、国境線に壁やフェンスが設置されていることはなく、ポールなどが設置されているのみです。
ですので、実際には、山や森林を越えれば越境することができますし、ラオスとタイとの国境の一部はメコン川なので、船で行き来することも可能です。
もちろん、無許可で国境を超えることは違法ですが、現実的には、メコン川で漁をしている時とか、山岳部に住む、移動をしながら生活している少数民族などが、国境線を越えることもあります。
とは言え、タイとカンボジアとの国境が未だ画定されておらず、タイに至っては6割以上が未確定というのは、想像以上でした。
また、日本人にとっては、あまり身近ではない「国境」というものについて、興味深い記事でしたので、共有しました。
ラオスに来られる機会がありましたら、是非、陸路での越境を体験してみて下さい。
※現在は、コロナの影響で、陸路での越境は制限されています。